写真提供:朝日新聞社(肖像写真)/朝日新聞出版社(書影)

作家・池澤夏樹さんの朝日新聞連載小説『また会う日まで』の単行本がこの春刊行されました。

主人公は、池澤さんの父方の祖母の兄(大伯父)にあたる秋吉利雄。

敬虔なキリスト教徒で、航海術に業績を残した天文学者である彼が、天測や海図製作などを担当する「水路部」所属の海軍軍人として、どのように戦争に参加し、戦中戦後の日本を見つめたのか。利雄氏の残した資料をもとに近代日本を描く歴史小説として、キリスト教界でも大きな話題となりました。

銀座・教文館は、主人公・秋吉利雄氏ご愛顧の書店として本作にも登場します。

「本はよく買ってきた。築地の水路部からの帰路、銀座の教文館によって店内を歩く。

ここは聖書関係の本が揃っていて、そのほかの雑書の棚も面白いものが多い」(674頁)。

 

この度、主人公ゆかりの教文館で著者・池澤夏樹さんにサイン会をして頂けることになりました!

当日は、『また会う日まで』最終章に登場する、利雄氏の三男・秋吉輝雄氏の『雅歌―古代イスラエルの恋愛詩』も販売いたします。この機会にぜひお読みください。

日時:2023年5月18日(木)12:00~13:00

場所:教文館3F キリスト教書部

 

サイン対象書籍 (サインは著者のサインのみとさせて頂きます)

・池澤夏樹『また会う日まで』(朝日新聞出版、定価3,960円)

・秋吉輝雄訳/池澤夏樹編『雅歌――古代イスラエルの恋愛詩』(教文館、定価2,750円)

写真:朝日新聞社提供

池澤夏樹(いけざわ なつき)

1945年北海道帯広生まれ。作家、詩人、ギリシャ、東京、沖縄、フランス、札幌と移住し、世界的視野からの創作と評論活動を行う。88年『スティル・ライフ』で芥川賞、93年『マシアス・ギリの失脚』で谷崎潤一郎賞、94年『楽しい終末』で伊藤整文学賞、96年『ハワイイ紀行』でJTB紀行文学大賞、2000年『花を運ぶ妹』で毎日出版文化賞、『すばらしい新世界』で芸術選奨文部科学大臣賞、04年『静かな大地』で親鸞賞、05年『パレオマニア』で桑原武夫学芸賞、11年個人編集の世界文学全集で朝日賞を受賞。秋吉輝雄との二人の仕事として『ぼくたちが聖書について知りたかったこと』(語り手・秋吉、聞き手・池澤、小学館、2009年)がある。

 

写真:朝日新聞出版社提供

また会う日まで

著者:池澤夏樹

体裁:四六判 728頁

定価:3,960円(本体3,600円+税)

発売日:2023年3月7日

 

大伯父・秋吉利雄(ぼくの祖母の兄)の生涯に導かれて日本近代史を書いてしまった。

とんでもなく手間がかかった。

海軍軍人、天文学者、クリスチャンとして、明治から戦後までを生きた秋吉利雄。

この三つの資質はどのように混じり合い、競い合ったのか。著者の祖母の兄である大伯父を主人公にした伝記と日本の近代史を融合した超弩級の歴史小説。

『静かな大地』『ワカタケル』につづく史伝小説で、円熟した作家の新たな代表作が誕生した。朝日新聞大好評連載小説の書籍化。

 

雅歌―古代イスラエルの恋愛詩

秋吉輝雄訳/池澤夏樹編

定価:2,750円(本体2,500円+税)

体裁:B5判 80頁

発売日:2012年3

ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の聖典『旧約聖書』。その神聖な書物において異色とも言うべき、“愛の詩”である「雅歌」を、イスラエル人画家による官能的な美しい画とともに、純粋な〈文学作品〉として味わう、新鮮な試み!

◆深い学識に基づいた原典からの個人訳。

◆読書の手引きとなる、池澤夏樹のエッセイと秋吉輝雄の解説つき。

◆イスラエルの画家ならではの、力溢れる人物表現が魅力的。大きな画面で16点を収録。