[新約聖書注解全集 ３]ルカによる福音書

「マタイによる福音書」、「マルコによる福音書」、「ヨハネによる福音書」は記者がユダヤ人ですが、この「ルカによる福音書」は異邦人ルカによって書かれました。それ故、この書は私たち異邦人にとって読み易く理解し易いのです。更にルカは医者で、教養もありましたから立派なギリシア語で書いています。

「ルカによる福音書」は、「人類のための福音書」、「女性のための福音書」、「愛の福音書」などとも言われています。また、この福音書にはマタイ、マルコ、ヨハネなど他の福音書には無い、ルカだけの記事がいくつかあります。「善いサマリア人」「『放蕩息子』のたとえ」などです。

私が「ルカによる福音書」を知ってから五十八年間、忘れることなく、「自分の敵をも愛し、神が彼らを赦してくださるようにと祈られたキリストの愛」を同胞に伝えたいと願い、祈り続けてきた思いが、今本書のような形で世に送り出せることを嬉しく思います。（本書「はしがき」2頁、3頁より）