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内容詳細

聖書 とともに読み継がれている『天路歴程』には、子ども向けのリテリング(再話)もまた、多くの人々によって試みられました。ルーシー・エイキン(一七八一―一八六四年)という、学者一家に生まれ育ったイギリス女性は、専門の伝記物や翻訳など以外の分野では、メアリー・ゴドルフィンというペンネームを使いました。本書もまた彼女が「わかりやすいことばで」(In Words of One Syllable)と名づけた再話シリーズの一冊として、死後一八六九年に出版されました。ゴドルフィンは(登場人物の名前と地名以外は)文字どおりすべて一音節の短い単語で簡潔に物語を書き進め、繰り返しや長々しい議論を省いて約五分の一に縮めましたが、書き直したとは思えないくらい、原作の文体をうまく保っており、そうすることによって、原作自体の長く親しまれた秘密が、その平易な語り口にあったということを、よりいっそう納得させる結果となっています。それゆえ本書によって力づけられた読者は必ず、バニヤンの原作に向かいたいという願いを持つことになります。その後、このゴドルフィン版は挿絵の異なるいろいろな版で出版されたようですが、一九三九年にアメリカのロバート・ローソン(一八九二―一九五七年)が自分の挿絵を添えて新たに出版したものが、この日本語版の原本となっています。(「あとがき」より)

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