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内容詳細

皆さんは、どういう言葉や図像を目にしたときに、「黙示録(アポカリプス)」という言葉を思い出されるでしょうか? 「世界の終わり」「最終戦争(ハルマゲドン)」、滅亡、破壊、暴力、終末―こうしたイメージの背後に「黙示録的」な何かを感じとる方は多いのではないでしょうか。

 イメージとしての「黙示録」の原点には、いうまでもなく、新約聖書の最後に収録されている『ヨハネの黙示録』があります。そもそもは神が示した救済のための「啓示」であるはずのテクストにもかかわらず、ここには禍々しくも強烈な、謎めいた表象が溢れかえっています。繰り返される数字の「七」、竜との戦い、輝く聖女と大淫婦、等々―。そしてこうしたイメージは、古代から現代に至るまで、各種のテクストや絵画、あるいは近年では映画芸術のなかで、たびたび用いられてきました。その〈終末〉と〈再生〉のイメージが、歴史の結節点で繰り返し繰り返し変奏されてきたのです。

 本書ではこのイメージの変遷を追いながら、「黙示録」が人間の想像力に与えてきた影響の本質に迫らんとします。中世の写本と20世紀の怪獣映画におもわぬ形で共通しているイメージの意味とは? 著者の流れるような筆にのって、知的興奮を味わえる一冊です。ぜひご一読下さい。

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