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内容詳細

宮村武夫先生のお名を知ったのは、30年も前のことである…このたびこの巻頭エッセイを書くにあたって、驚いたことがある。それは本巻の内容を見て、初めて知ったことなのであるが、宮村先生がドストエフスキーに詳しいということである。わたし自身も『悪霊』を再読してみた。…彼はただ上を仰いで、「主よ、汝の十字架をわれ恥ずまじ」と告白する。この静かなる信仰告白は-これこそ本『著作6』そのものタイトルなのであるが-「虚無なるもの」即「悪霊」が跋扈するこの闇夜に、ドストエフスキーが、いや宮村武夫が掲げることのできた一灯の光であったにちがいない(本書「巻頭言」より)

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