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内容詳細

この世にもっとも優れた多くの価値を創造した民族、この世でもっとも深い悲劇と多くの受難を経験した民族として、ユダヤ民族は人類の歴史のなかでも特異の歩みをつづけてきた。

著者は日本版の序で述べている。「この本では、西暦第四世紀以後のユダヤ史のうちで、特にその『ヨーロッパ』時代に注意を注いでおります。しかし、それ以前、すでにユダヤ人たちは遠い大昔に溯る古代の歴史的記録の相続者であったのです。終始ユダヤ人は、かれらの不運が一時的なものにすぎず、しかもその逆境の時がどんなに暗くみえても、最後には不義が克ちえないことを神の存在が意味しているという、正義の神への絶対的信頼に支えられていたのです。この確信が、幾世紀もの迫害のうちにあって、それがわたしたちの時代に最高潮に達しながらも、かれらの民族的また宗教的一致を保ちましたので、遂に何世紀もの離散の後に、かれらの祖先の国において、その国民の中心地を復活する結果となったのです。そしてかれらが他のいかなる民族よりも、ヨーロッパとアジアとの間のかけ橋としての役を果し、地理的隔壁、人種的差異また宗教的教義を超えた古代の理想を掲げることができるならばこの確信こそ今日の迷い悩む世界に伝えることのできる最も大きな教訓なのであります。」

著者はオックスフォード大学に学び、ユダヤ研究の第一人者として、1939年以来65年まで同大学での講座を担当。ユダヤに関する多くの著作があるが、本書はその代表作である。

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