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内容詳細

弱者の味方として、ユスティニアヌスの片腕として

ラヴェンナの有名なモザイクで知られるビザンツ帝国の皇后テオドラ。その生涯は、たぐい稀な才能をもった女性が、多くの障害を乗り越えて、信じがたいような権力を手にするという物語である。本書は、「卑しい生まれの踊り子が皇帝の甥を魅了した」という後世のイメージを生んだ、同時代の著作の偏見に満ちた記述に分け入り、近年の初期ビザンツ研究の成果を取り入れて、テオドラの生涯を時代の全体像の中に位置づけて描いている。 
テオドラはこの時代の重要な政治家のひとりであり、帝国の国内・対外政策の策定に協力し、二度にわたって夫ユスティニアヌス一世を廃位の危機から救った。重大な宗教論争の解決のために中心的な役割を果たし、身売りされた女性たちを進んで援助した。敵となった人々は、経歴について、娼婦だったという想像を逞しくし、大げさに書いた。
著者は宗教界を中心とする彼女の人脈に注目する。そしてニカの乱の際の有名な演説はもちろん、旧西ローマ帝国領の再征服や教会の統一といった、これまでテオドラが登場することのなかったユスティニアヌスの治績に、その関与を認めている。

【目次】

第1章 コンスタンティノープル

第2章 下世話な物語

第3章 セックスと舞台

第4章 党派と人脈

第5章 パトリキウス叙任

第6章 帝位継承

第7章 アウグスタ――最初の五年

第8章 革命

第9章 戦争と宗教

第10章 陰謀と疫病

第11章 晩年

第12章 遺産

人物一覧/年表/謝辞/訳者あとがき/参考文献/原註/略記/索引

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