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内容詳細
天動説から地動説への宇宙像の転換,
それはヨーロッパ人が信奉してきた世界を,
大きく揺るがすものであった。
アリストテレスの天動説は,聖書釈義と結びつき教会によって支持されたが,天体観測に基づき疑義が呈されるようになる。教会は地動説学者の書を禁書とし宗教裁判を行うが,実は徹底的に排斥したわけではなかった。むしろ神学において自然は『聖書』と同じく,神の啓示を記した書物とみなす伝統が存在しており,自然学的研究を行う聖職者も存在したのである──。
本図録では,古代・中世の宇宙像,天動説から地動説への転換,世界図の誕生,また身体という小宇宙をめぐって,キリスト教世界においてどのように探究が行われてきたのか,「アトラス(地図,星図,解剖図を含む図版集)」を紹介し歴史を展観する。
【2024年度西南学院大学博物館特別展オールカラー図録】
【目次】
ご挨拶[西南学院大学博物館館長 片山隆裕]
開催概要/凡例
[Ⅰ]宇宙の中心としての地球
Ⅰ 古代の宇宙像
Ⅱ 宇宙と人体の照応:天文学と占星術のあわい
【コラム】中世の宇宙像における風の表象[沖縄県立芸術大学美術工学部教授 尾形希和子]
Ⅲ 中世の宇宙像とダンテ『神曲』
【コラム】ダンテの地獄・煉獄・天国の絵画化[学習院大学文学部教授 京谷啓徳]
[Ⅱ]地球は動く──教会と科学
Ⅰ 天動説から地動説へ
【コラム】地動説と教会[西南学院大学博物館助教・学芸員 森 結]
Ⅱ 世界図の刷新
【コラム】 コスモグラフィア革命とアトラス(地図集)の誕生
[西南学院大学博物館助教・学芸員 森 結]
Ⅲ イエズス会士の科学活動
【コラム】イエズス会士とガリレオ[西南学院大学博物館助教・学芸員 森 結]
【コラム】 江戸の天文学ことはじめ[西南学院大学博物館学芸研究員 鬼束芽依]
[Ⅲ]身体という小宇宙
Ⅰ 人体の観察
【コラム】 イエズス会士アタナシウス・キルヒャーにおける宗教と科学
[西南学院大学博物館助教・学芸員 森 結]
Ⅱ 身体の中心としての心臓
【論考】獣帯人間と仲間たち 天体と身体の照応についての覚書[町田市立国際版画美術館学芸員 藤村拓也]
主要参考文献/出品目録