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内容詳細

ギリシア人の教養と理想的な人間像が相互に作用しつつ形成される経緯を描いた,イェーガーの古典的名著『パイデイア Ⅰ―Ⅲ』(1934-47)を訳出した待望の書。
本冊では第Ⅲ部「偉大な教育者と教育体系の時代」の前半,プラトンの教育哲学を主に扱う。教育の核心とは何か。哲学の目的とは何か。果たして徳は教えられるのか。初期対話篇から『国家』に至る議論の展開を探究する。
19世紀中期以降,科学技術の進歩,ナショナリズムや労働運動の高まりにより,陶冶の手段としての古典語の価値が揺らいだ。その中で著者は,人文主義を擁護するため,ギリシア古典古代の教育上の意義を,「政治的な人間の形成」という統一的なプログラムとして「第三の人文主義」の立場から解明する。
教育とは個人の事柄ではなく共同体の事柄である。個々の成員によって性格付けられた共同体は,政治的人間にとってあらゆる行為と態度の源泉である。共同体が成員に与える影響は,新たに生まれる個人を共同体の意向に沿う教育によって意識的に形成する努力の中にこそあった。
パイデイアとは子供の教育,後に教育一般,教養,文化などを意味した。ギリシアにおける教養の本質を知ることは,現在の教育上の知識と意欲にとって不可欠の基礎となろう。

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