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内容詳細
従来キルケゴールの体系批判はヘーゲル批判と結びつけられてきたが、実はハイベアやマーテンセンといった同時代のヘーゲル主義者に向けられていたのだ。彼らはデンマーク社会が直面した自由主義的要求に各様に応答したが、キルケゴールは両者と異なっていた。その相違の核心をキリスト論に見出し、その理路を解明した俊英の力作。
【目次】
序論
第一節 本研究の方法論と目的
第二節 先行研究と本研究の独自性
第一章 三者の危機意識の基盤となった歴史的背景
第一節 デンマークにおける国家と宗教の結びつき
第二節 敬虔主義と啓蒙主義
第三節 自由主義の台頭
第四節 自由主義と農民覚醒運動とナショナリズムの結合
第五節 一八四八年の革命と信教の自由
第二章 ハイベアのキリスト論
第一節 ハイベアの生い立ちと問題意識
第二節 ハイベアの『現代にとっての哲学の意義について』:哲学と宗教、芸術の関係
第三節 『ローテ博士の三位一体論と和解論への批評』におけるハイベアのキリスト論
第三章 マーテンセンのキリスト論
第一節 マーテンセンの生い立ちと問題意識
第二節 マーテンセンの受肉理解
第三節 マーテンセンの危機意識と教会論
第四章 キルケゴールのキリスト論
第一節 『イロニーの概念』におけるキルケゴールの問題意識
第二節 『あれかこれか』における思弁批判
第三節 『哲学的断片』と『後書き』でのキリスト教の思弁的解釈に対する批判
第四節 愛としてのキリスト論
結論
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