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内容詳細

中世ルネサンス音楽史や、日本キリシタン音楽史研究の第一人者でもある皆川達夫氏が、天に召されてから3年が経つ。コロナ禍がなければ、皆川氏とゆかりのある音楽家たちが集まり、荘厳な式典でお別れができたことだろう。それが叶わなかった人たちの皆川氏への想いが、今回追悼文集という形で一冊の本にまとめられた。
皆川氏の学者としての優れた功績が紹介されるだけでなく、氏の魅力的な素顔が、60名の親交のあった関係者の回想から炙り出されている。また、文章だけでなく貴重な写真(氏が氷川丸で渡米する際のショットや、華麗にスキーで滑走するカット等)や、資料(隠れキリシタンのオラショ《ぐるりよざ》の原曲譜)なども収載されていることから、資料的にも価値の高いものになっている。まさに“皆川ワールド”の根幹に迫る内容となっている。

【目次】

まえがき
Ⅰ Qui bene serit, bene metet 仰げば尊し
・初就職から渡米前までの皆川達夫先生 爲本章子
・皆川達夫先生との想い出 髙野紀子 ほか全7編

Ⅱ Musica est scientia 音楽は学である
・皆川先生と私 金澤正剛
・飯倉のうなぎ――皆川達夫先生を偲んで 林淑姫 ほか全4編

Ⅲ Qui cantat, bis orat 歌う者は倍祈る
・皆川達夫先生との一九六〇〜七〇年代 佐藤豊彦
・紙一重のいのり――中世音楽合唱団と聖心女子大学グリークラブ 山中真佐子
・【座談会】 皆川先生と中世音楽合唱団 ほか全10編

Ⅳ West meets East 西との出会い
・かくれキリシタン研究に転機をもたらした皆川達夫先生のご業績 中園成生
・《六段》と《クレド》に関する伴走者からの証言 神戸愉樹美 ほか全5編

Ⅴ Their sound is gone out その声は全地に及んだ
・皆川先生をめぐる「人垣」 取り巻きから番組リスナーまで 美山良夫
・「音楽の泉」を受け継ぐ 奥田佳道 ほか全5編

Ⅵ St. Paul’s will shine 自由の学府
・【対話】恩師・辻荘一教授の家族が語る皆川先生 辻成史、辻正子
・ 皆川先生に依頼した半生の記 星野昌三
・ 倍音は天からの贈り物 音楽と祈りに捧げた生涯 荒舩禎子
・ 前任者としての皆川先生――不肖、立教大学第三代音楽学教員が垣間見た晩年のお姿 星野宏美 ほか11編

Ⅶ Deo Gratias 祈り
・皆川達夫先生についてひとこと アキレ・ロロピアナ
・父の思い出――ピコラから見たパッピー 近藤淳子
・【再録】 中世・ルネサンスの魅力 普遍性と国際性を内蔵して 皆川達夫
・【再録】 音楽史月評退任の辞 皆川達夫

あとがき
皆川達夫先生略年譜

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