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内容詳細
この資本主義社会を倫理的に生きることは可能か?
《愛し、赦し、共に生きるための「究極のリベラルアーツ」。7人の学生と神学教授が、12の対話の果てに見つけたものとは?――国際基督教大学の必須教養科目を書籍化》
信仰とは「なぜ」と問う勇気。
たしかにこの世界は、不条理と理不尽に満ちている。
しかし、私たちには「なぜ」と問う力がある。
神学は現代社会を支えるもっとも影響力のある思想の一つである。20億人以上が信仰する世界宗教のキリスト教について知ることは、世界人口の3割以上の人たちが共有している価値観や世界観に耳を傾けることでもある。キリスト教は日本ではマイノリティーの宗教ゆえ、イメージしにくいかもしれない。しかし、たとえば、私たちを当たり前に守っている「日本国憲法」の人権概念が、キリスト教の人間観と無縁ではないといわれるとどうだろう。あるいは、「私たちが生きるいまの世界」を形づくった、科学技術の発展、産業革命、リベラルな民主主義に、キリスト教の思想がかかわっているといわれるとどうだろう。
「競争社会で人を出し抜かずに生きられるか?」「正当化できる暴力や戦争は存在するのか?」「そもそも、人はなぜ等しく尊厳を持つ存在なのか?」ほか、容易には解が見つからない12の究極の問いをテーマに、立場も考えかたも違う7人の学生と教授が話し合う。教授は言う。宗教においては、自分が信じるものとは違った教えとの対話が、とても大切な平和的な態度であると信じています、と。人生に落胆したとき、自分を支える思想の一つとして、あるいは、勇気を持ち、多様な他者と語り合い、世界に高くはばたくための武器として、神学の基礎教養を身につける入門書。
人は、自分の限界を知る存在である。
自分の限界を知っている。
だから人は祈る。
「祈り」という言葉がない言語はない。