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内容詳細

戦後文学の原点とも言える戦争体験を取り上げた作家・詩人は数多い。しかし、石原吉郎ほど、そのシベリヤ抑留における極限下の体験を自己への凝視に向け、告発と断念、絶望と祈り、沈黙と発語の拮抗する内面を、硬質で静謐な言葉で表現した文学者は少ない。石原吉郎の根幹にある「シベリヤ」「詩の発想」「聖書と信仰」「ユーモア」の四テーマによって散文を精選、その文業の核心と可能性に迫る。

1 シベリヤ―フランクルに導かれて(確認されない死のなかで―強制収容所における一人の死;オギーダ ほか)
2 詩の発想(沈黙と失語;望郷と海 ほか)
3 聖書と信仰(『邂逅』について;半刻のあいだの静けさ―わたしの聖句 ほか)
4 ユーモア(私の酒;日記1(一九七二年) ほか)

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