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内容詳細

14世紀半ばから17世紀に及ぶルネサンス運動を特別な時代概念として歴史学の観点から探究する。

まずルネサンスとは何か,カトリック改革,宗教改革から見たルネサンスとは何かを検討する。

次に科学史からコペルニクスと同時代人のフィチーノについて,暦,太陽や時代認識を検討することにより科学革命と宗教問題に光を当てる。

またミケランジェロや彼と関係の深かった詩人コロンナとマニエリスムの画家ポントルモを通して,宗教史の観点から芸術の問題を考える。

さらにイタリアに衝撃的な影響と時代的転換をもたらした,1527年のローマ劫掠事件をきっかけに執筆されたヴァレリアーノ『学者の不幸』を解読し,そこに登場するコロッチやコンタリーニの事件に対する証言を紹介する。コンタリーニは枢機卿で,アリストテレス研究で名高いパドヴァ大学出身の哲学者として興味深い著作を遺すとともに宗教改革で分裂したヨーロッパの和合に腐心し,イエズス会の公認に尽力した。

またルネサンスを代表するエラスムスに関する膨大な文献の一端を紹介し,研究の方向性を検討する。

最後に,イベリアとイタリアの両半島での哲学,人文主義の発展と交流を宗教的視点から考察,ルネサンス人の多彩な活動を描く類書のない貴重な業績である。

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