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内容詳細

本書は、江戸後期から明治期になぜ長崎の信徒の移住が頻繁に生じたのかを国内外の移動や移民研究の観点を用いて解き明かし、いわゆるキリシタン・ロマンの霧に隠れている、信仰と生業を基盤とする信徒の暮らしと移住の背景を明らかにするものである。信徒の移住の中には、明治期には外国人神父の宣教戦略が、大正・昭和期以後には国の開拓政策や地域政策が、それぞれ関与したものも含まれている。今日、歴史のひだに埋もれつつあるこうした事実を、残存する諸資料と現地での聞き取り調査等を通して明らかにしていく。

長崎の潜伏キリシタンとその子孫の「旅」の足跡を辿り、信徒が山間や海辺の移住地に集落を形成し、教会を設立してきた数世代に及ぶ生活を社会学の視点から解明する。

【主要目次】

第1章 長崎のカトリック信徒の移動――他出の背景とコミュニティ志向性――

第2章 西彼杵半島と第1次移住地――移住世帯の母郷と江戸期の移住地――

第3章 長崎市の半島と長崎港外の島嶼――佐賀藩領の第1次移住地――

第4章 平戸島への移住と居住地の展開――第2次移住地と新たな移住の発生――

第5章 北松浦半島への移住と居住の展開――第2次移住地と生産基盤の転換――

第6章 教役者主導の開拓移住とその展開――第3次移住地と第4次移住地――

第7章 都市(近郊)への農業移住と炭鉱における家族形成――第3次移住地――

第8章 第二次世界大戦前の国の政策と開拓移住――第4次移住地――

第9章 第二次世界大戦後の農業政策・地域政策と移住・集落移転――第4次移住地――

第10章 結論――カトリック信徒の移動における類縁関係の関与とモダニティ――

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