[新約聖書注解全集 １０]ヘブライ人への手紙　ヤコブの手紙

「ヘブライ人への手紙」の筆者は「キリストは神の本質の完全な現れであり、神は御子によって世界を創造した（1：2,3）」と書き始めます。即ち、キリストは神御自身であり、世界の創造者であると言うのです。このような言葉は、常識ある者には容易に信じられません。しかし、これが真実でないなら、聖書は偽りの文書となります。「ヘブライ人への手紙」は実に驚くべき手紙です。私はキリストを信じてから60年、初めはわかりませんでしたが、今ではそれが真実であると信じないではいられなくなりました。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「ヤコブの手紙」はルターが「藁の書簡」であると言ってから、軽く見られてきました。しかし、決してそうではありません。クリスチャンは日々いかに生きるべきかを教える「愛の手紙」です。この手紙が書かれたころの時代背景、社会情勢、キリスト教会の実情を知って読むならば、この手紙がいかに大切なものであるかがわかります。