[新約聖書注解全集 ５]使徒言行録

『使徒言行録』は、人類が新しい時代に入ったことを知らせる書です。すなわち、旧い時代が終わって、それまでと全く異なる新しい時代に入ったのです。

『使徒言行録』はキリスト教がどのようにして生まれ、どのようにして福音がローマ帝国全域に伝播されて行ったのかを詳述しています。また、キリストの十字架前の裁判の折、「キリストなど知らない」と三度も否定したペトロが、復活のキリストに会って一変し、キリストの証人として雄々しく立ち上がった事や、教会を激しく迫害したパウロが百八十度変わって、キリスト教最大の伝道者となってしまった事を記して、彼らに注がれた聖霊の働きを明らかにしています。本書はキリスト教と初代信徒について知るための最良の書です。本書をひもとかれる読者が、ペトロ、ヨハネ、パウロまた徴税人のザアカイやマグダラのマリアを聖徒に変えてしまったものの本質に触れ、願わくは彼らと同じ恵みに与えられますように祈ります。（本書「はじがき」3頁より）