心よ高くあがれ

現在の日本は、政治や経済から社会生活一般の隅々にいたるまで、言いようもない閉塞感に覆われています。出口が見えません。いったいどうしてこんなことになってしまったのでしょう。未来将来への解決のメドはないものでしょうか。いや、あります。一人一人が光を求め、心を高くあげて歩いていき、自分の言葉を語り、自然や他者との触れ合いを大切にしていくことです。この本は、生きる希望をあたえてくれる滋味あふれるエッセイ集です。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　著者は言います。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「歩きだそう。自然のなかへ、人に向かって、どんどん歩いていこう。そうすれば、必ず光が見えてくる。自分で歩いていけば、自然や人や未知なるものとの出会いがある。光を求めて、心を高くあげて歩いていこう」　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　そして、またこうも言います。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　「日本人はほんとうは心根優しく『和』を重んじ、謙譲と恥を知っていたはずです。しかし現在の閉塞社会の内的原因のひとつは、大小の『夜郎自大』にあると痛感せざるをえません。情報と課題を真に共有しえて、人とともにあること、コミュニケイションを敢えて行なうこと、それが出来なくなってしまっている。心を開き、勇気をもって謙虚に、心を高くあげたいと、自らに言い聞かせずにはおれません」