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内容詳細

著者は中世哲学研究では多数の著述や編集を手がけ、わが国の学会に多大な貢献をしてきた。

本著作集は来日して四十有余年にわたる宗教者としての活動の足跡を集大成したものである。

多くの信者と向き合い、参禅体験や西田哲学の探求など日本の文化と社会に深くかかわりながら説教や講話、文筆活動をとおして多くの日本人にキリスト教を伝えてきた。

本巻では、信仰における超越との関わりとは何かということが詳細に論じられる。

第1部「主の祈り」では、イエスが弟子たちに真の祈りの原型として教えた言葉の解釈から、人間が神へどのように関わっていくべきかが語られる。

第2部「信じるとは」では、教会の信仰告白である古代の信仰の要約「信条」を取り上げ、世界の創造から完成へと至る救済史的展望の中核に位置づけられるイエスの生涯と教えについて考察される。

第3部「幸い」では、神の恵みによる幸いを唱える福音の叙述(真福八瑞)を主題に、神の現存に向かって透明になる人間の姿が描写される。

本書はキリスト教の信仰内容を解説するだけではなく、信仰が呼び起こす永遠への開きを、人間が生きるための意義を浮き彫りにする力として理解し、神学的・哲学的・人間論的な課題に新しい光を投げかける。

生き生きとした叙述によって、読者は繰り返し新たな発見の喜びに出会うであろう。

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