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内容詳細

著者は中世哲学研究では多数の著述や編集を手がけ、わが国の学会に多大な貢献をしてきた。本著作集は来日して四十有余年にわたる宗教者としての活動の足跡を集大成したものである。

多くの信者と向き合い、参禅体験や西田哲学の探求など日本の文化と社会に深くかかわりながら説教や講話、文筆活動をとおして多くの日本人にキリスト教を伝えてきた。本巻は「真理と時間」「神認識と神への信仰」「父なる神と子なるイエス」「赦しと愛」「黙想」「祈りをめぐって」など6つの主題を35章にわたり展開する。

ここでは画一化された概念的図式や観念的な思弁を避けて、直接的に確認しうる経験や意識の状態を考察することによって真理認識から神秘に近づくことを試みる。人間の本質をなす世界内性と超越への関わりを分析し、身近なものを通して一なる把握しがたい根源を求め、また、この根源への見通しに導かれて人生の課題を理解する人間精神の二重性を明らかにする。

また自己の心を通して根源的な事柄を熟慮し、自らの精神的基盤を確認しようとする瞑想や黙想に光をあて、個人の精神的自己形成の優れた道を示す。読者は聖書に寄り添って紡がれる著者の言葉と信仰への情熱に、深い感銘と共鳴を覚えるに違いない。

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