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内容詳細

日本人には理解が極めて困難なキリスト教。信仰の立場の整合性を捨て、由来の違う多様な要素による矛盾と混乱を認めつつ、哲学の立場から、罪、赦し、改悛、救済、ペルソナ、自由意志と予定説といった難問を解析、イエスの言葉が示すキリスト教の核心に迫る。

【目次】

まえがき
第1章 「宗教」と「哲学」と「文学」
1 ことばの文化性
2 哲学のむずかしさ
3 「ことば」は人間、社会、自然を描写する
4 ことばが描き出す客観世界と身近な世界
5 二つの世界を切り分けるヨーロッパ言語の人称
6 主語の単数の地平から複数の地平への抽象移動
7 科学と哲学の近代化の素因となった身近な事実
8 キリスト教の社会的視界(国家宗教性)
9 ヨハネ福音書の八章導入部
10 ヨハネ福音書八章の事件
11 哲学による「正しさ」の吟味
12 謝罪と刑罰
13 心理学による考察は無効
14 「姦通の罪」を吟味する必要
15 十戒に見る罪の規定
16 心の中の罪に気づく教え
17 心のありように関わる教え
18 心のうちに在る罪
19 罪の告白
20 罪を悔いるときの主体性
21 石打の刑の場の人々
22 ヨハネとイエス
23 ヨハネ登場の背景
24 ヨハネによる改革
25 女はゆるされたのか
26 事件のなかで生じた神への謝罪と神のゆるし
27 回心する主体(わたし)の存在
28 教会が教える常識と哲学
29 哲学の立場の確認
30 罪の種類と文化的基盤
31 キリスト教神学の立場
第2章 処罰と悔悛
1 ヨハネの教えとイエスの教え
2 現代の若者の苦悩と生きる喜び
3 生きるための殺生と宗教
4 「殺せ」という宗教
5 回心の際の善悪共在
6 教会という社会組織
7 七つの秘跡
8 秘跡の意味
9 三つのペルソナ
10 「三位一体」の神
11 「悔悛」の問題
12 スコトゥスの神学
13 スコトゥス神学における「悔悛」
14 悔悛の教義に関する問題点
15 心の罰としての「悔悛」
16 神学上の二つの問題
17 キリスト教会が見る罪と神の愛
18 心における罪と、その重さ
19 行為の後に、悔悛があるまで罪が残ること
20 神との論理的関係と信仰
21 「悔悛」の意味
22 悔悛という罰と、罪のゆるし
第3章 自由と予定説
1 宗教教義のなかの矛盾
2 二種の「自由」
3 神の意志の正しさを得ること
4 「未来」への信頼と「過去」の事実
5 第二の自由
6 予知・予定(摂理)の問題
7 摂理を認めつつ「今」を生きる
8 宗教の弁別と哲学
9 天地創造の主としての神
10 「宇宙創造神」と「支配」
あとがき

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