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内容詳細

うんでくれて、ありがとうございます――「先天性大脳白質形成不全症」という難病に侵されながら、彼が伝えたのは“感謝”でした。難病を抱えながらも、神に与えられた人生をいかに生きるべきかを問い続け、人々に喜びと感動を与えつつ、“笑顔”で生き抜いた33年の生涯。

(プロフィール)
福本峻平(ふくもと・しゅんぺい)

<<ご本人写真(ベッドでコミュニケーションツールを捜査する福本俊平さん)>>

1987年、東京生まれ。聖学院中学校・高等学校、青山学院大学経済学部を卒業。
3歳からヴァイオリニスト小林明代氏に師事、ヴァイオリンとクラシック音楽を愛好。15歳の頃から足がつまずくようになり、2002年、原因不明の難病との診断。間もなく車いす生活を余儀なくされる。2004年8月、高校2年の時に常盤台バプテスト教会にてバプテスマ。2008年、大学2年生時に口からの飲食が難しくなり胃ろうを造設、その後咽頭気管分離手術により声を失う。難病が発症してから11年たった2013年、当時全国に100例程しかなかった「先天性大脳白質形成不全症」という病名が判明。「この世に生を受けたものはどんな形であれ全てに意味がある」という信念のもと、多くの人を愛し、愛され、神を愛し、神に愛されながら笑顔で生き抜き、2020年11月11日に召天。33歳。

 

<本書を推薦します>

福本峻平さんを青山学院大学に迎えるにあたり、進行性の難病を患っている彼をどのように支えるべきかを協議し、人の手配、教室や控室の用意などの準備に、教員も職員も多くの時間を費やしました。入学後は、学生達も彼をサポートするために時間と労力と細やかな心遣いが必要でした。しかし、彼に関わった者は誰もが、彼に与えたものの何倍もの励ましを受け、生きる力を与えられ、喜びを受け取りました。そして主の御許に召されてなお、人々の心を揺さぶり続けています。ひたすら主を求めて生きた者の中で働かれる大いなる力を見ました。
青山学院 院長 山本与志

初めてお会いした15歳の彼は、メゾソプラノボイスのとても綺麗な声をされていました。思春期特有の振る舞いは皆無でした。すべてに寛容で彼が入院する度にいつしかその場所は職員が自分の話を聞いてもらう駆け込み寺のようになり、彼は微笑んで話を傾聴されていました。成人されてからは誤嚥性肺炎との戦いでした。何度も揷管・人工呼吸器・抜管を乗り越えられていましたが、声帯を閉じて声を犠牲にする咽頭気管分離手術を受ける決意をしていただいた時だけは悲しそうな表情を浮かべられました。その後も大変な闘病生活を送られましたが、携わってきた我々の脳裏には、なお彼の笑顔が輝いています。
帝京大学医学部附属病院脳神経内科 准教授 畑中裕己

私が介護ヘルパーとして出会った頃の峻平さんは、すでに指1本と首と顔のわずかな筋肉しか動かすことができず、気管切開をしたため声も失っていました。常人では想像すらできない絶望や苦痛の中、それでも峻平さんは「笑顔」でした。その「笑顔」につられて私も周りも不思議と笑顔になってしまう。そんな不思議な力が峻平さんにはありました。自分の不遇に嘆くことなくそれを受け入れ、自分なりに必死で生きていこうとされていたのではないかと思います。彼の壮絶で、あの優しい「笑顔」の物語をたくさんの人に読んで頂きたいと願っています。
(株)のそら 代表取締役 森田健一

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