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内容詳細
京都大学の学部生に向けた昭和41年から58年まで18年に及ぶ「中世哲学」講義を全5巻に収録,他に類のない貴重な記録である。中世哲学の意味や意義,そして中世哲学の歴史的背景など,ヨーロッパ中世への招待となっている。
本巻では昭和45-49年度までの5年間の講義を収載する。
はじめにイスラエルの宗教伝統とギリシア哲学との交渉により形成された中世哲学にとって,啓示と理性との関係は根本的な問題であった。ヘレニズム世界とプラトン学派に見られる理性と啓示の様相を丹念に考察する。
次に中世という時代と中世哲学とは何かが問われる。中世を暗黒時代とする見方は中世に関する乏しい知識と地域を限定したことに由来し,その中世観と合わせて検討する。中世哲学は2世紀から15世紀の1400年間にわたり営まれた。教父哲学は2-8世紀に主として聖書解釈や神学で扱われ,9-15世紀のスコラ学において哲学と神学が区別されて,論理的な洗練と体系化が行われたことが解明される。
またギリシアの伝統を継ぐ理性とキリスト教の霊性とが強い緊張の中で新たな哲学として展開する姿を,ストア派のエピクテトスとキリスト教との関わりを通して考察する。
さらにプラトン,アリストテレスからフィロン,アウグスティヌス,トマス以降までを射程として中世哲学に影響を与えたイデア論を考察。最後に護教家,殉教者であったユスティノスの哲学者としての意味が詳細に吟味される。
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