税込価格:1760円
購入サイトへ 問い合わせる
※在庫状況についてのご注意。

内容詳細

森鷗外ほどの大きい、まさに彼自身の言う『空車』のように巨きな存在は、通常の目では見通せぬ渦を巻いていたものだろう。普通一般の日本人であれば、死に臨んで己れと全自然、全世界との融合融和を念じ、そこに秘かな悲哀を覚えつつ満足するだろう。死に臨んで全世界に対して怒る人はまずいない。これほどの大きな弧を描いて生を完うした人間が、憤怒の情をもって己が死を迎えるとはどうしてか。なにゆえに、それほどに、己れを叱ったのか。鷗外の歩んだ道をたどりながら、その実像と自身は決して語ることのなかった深い深い悲しみに触れる。

※教文館出版部の出版物については「出版部」の商品ページに在庫表示がございます。