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内容詳細

 愛着、嫉妬、競合、憎悪、無関心……人間同士の関係性を規定し、支配するものはなにか。人間の尊厳を奪い貶める不幸が、なぜこの世に存在するのか。純然な善たる神が、かくも無慈悲な必然に人間を向かわせるのはなぜなのか――
生前に一冊の著作として書きあげたものをほとんど持たないヴェイユ。ここに集められた断章の数々――折々に発表された記事、論考、書簡、カイエ(雑記帳)からの――は、その短く烈しい生涯のなかで、ヴェイユが感じ、考え、思考を醸成させていったさまを、いわば、なまのかたちで私たちの前にひろげみせてくれる。
読みの多層性をともない、つねに新たな層の発見とともに、世代を超えて手渡されてゆくであろう精選された断章の数々に、晩年に書かれた未完の戯曲『救われたヴェネツィア』からの抜粋、珠玉の詩篇も加え、シモーヌ・ヴェイユの言葉を一冊に。

[初版2003年11月25日発行]

 

目次


凡例
略号一覧

編訳者 序

I 自己と他者
II 神と必然
III 悪・不幸・十字架
IV 力と社会
V 正義と芸術

あとがき

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