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内容詳細
現代教育に潜む「国体思想」にいかに抗うか?
「教育勅語」から「道徳の教科化」まで、戦前戦後を通じて国家の介入を受けてきた日本の教育。
さまざまな形態の国家主義を退け、キリスト教に基づく教育の自由と価値をいかに確立するかを論じる。
【目 次】
はじめに 森島 豊
第1章 日本の教育政策とキリスト教界への浸透 森島 豊
第2章 戦後日本と国家神道
──天皇制の宗教的側面 島薗 進
第3章 戦後教育制度の「デザイナー」田中耕太郎
──その思想と教育勅語をめぐって 島田由紀
第4章 戦後のキリスト教学校は何と闘ってきたのか 伊藤 悟
第5章 道徳教科化における思想的問題
──「修身科」復活問題における天野貞祐と昭和天皇の関係 森島 豊
第6章 キリスト教的な人格教育とは 長山 道
第7章 キリスト教学校の攻防の可能性 森島 豊
あとがき 伊藤 悟
[執筆者紹介(掲載順)]
森島 豊(もりしま・ゆたか)
青山学院大学教授
著書 『フォーサイス神学の構造原理──Atonement をめぐって』(新教出版社、2010年)、『これからの日本の説教──説教者加藤常昭をめぐって』(編著、キリスト新聞社、2011年)、『人権思想とキリスト教──日本の教会の使命と課題』(教文館、2016年)、『贖罪信仰の社会的影響──旧約から現代の人権法制化まで』(編著、教文館、2019年)、『抵抗権と人権 の思想史──欧米型と天皇型の攻防』(教文館、2020年)、『災禍において改革された教会──その祈りと告白、実践の歴史と現在』(共著、教文館、2024年)ほか多数。
島薗 進(しまぞの・すすむ)
大正大学客員教授、東京大学名誉教授
著書 『宗教学の名著30』(筑摩書房、2008年)、『国家神道と日本人』(岩波書店、2010年)、『神聖天皇のゆくえ──近代日本社会の基軸』(筑摩書房、2019年)、『明治大帝の誕生──帝都の国家神道化』(春秋社、2019年)、『新宗教を問う──近代日本人と救いの信仰』(筑摩書房、2020年)、『戦後日本と国家神道──天皇崇敬をめぐる宗教と政治』(岩波書店、2021年)、『日本仏教の社会倫理──正法を生きる』(岩波書店、2022年)、『教養としての神道──生きのびる神々』(東洋経済新報社、2022年)、『なぜ「救い」を求めるのか』(NHK 出版、2023年)ほか多数。
島田由紀(しまだ・ゆき)
青山学院大学准教授
著書・論文・訳書 J. ディオティス・ロバーツ『ボンヘッファーとキング──抵抗に生きたキリスト者』(日本キリスト教団出版局、2008年)、「第13回国際ボンヘッファー学会報告──ボンヘッファー研究と南アフリカ」『キリスト教と文化 紀要(36)』(青山学院大学宗教主任会、2021年)、『キリスト教神学命題集──ユスティノスからJ. コーンまで』(共編・監修、日本キリスト教団出版局、2022年)ほか。
伊藤 悟(いとう・さとる)
青山学院大学教授
著書・論文・訳書 『地の塩、世の光──人物で語るキリスト教入門』(共著、教文館、2006年)、『モラル教育の再構築を目指して──モラルの危機とキリスト教』(共著、教文館、2008年)、B. P. ウェブミッシェル『キリスト的ジェスチャー──キリストの体を生きる民』(一麦出版社、2019年)、C. フォスター『世代から世代へ──教会における信仰形成教育の適応課題』(教文館、2022年)、「新設科目『公共』の設置とキリスト教学校」『キリスト教と文化 紀要(37)』(青山学院大学宗教主任会、2022年)、「精神的二重構造とキリスト教学校──『逆コース』とは何だったのか」『キリスト教と文化 紀要(38)』(青山学院大学宗教主任会、2023年)ほか。
長山 道(ながやま・みち)
東京神学大学教授
著書・論文 『新キリスト教組織神学事典』(共著、教文館、2018年)、「教育が教育であるために」『神学』75-84号(東京神学大学神学会、2013-2023年)、「今、なぜ摂理の信仰が大切か?」『伝道と神学12』(東京神学大学総合研究所、2022年)、「教会をめぐるキリスト教教育の課題」『伝道と神学14』(東京神学大学総合研究所、2024年)ほか。