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内容詳細
「異端の始祖」と呼ばれるマルキオンは、
「教会の改革者」か?
それとも「新しい宗教の創設者」か?
仮現論や様態論などのキリスト論、新約聖書正典の成立、グノーシス的諸概念の分析など、教理史研究に不可欠なハルナックのマルキオン研究。
約100年前の著作にもかかわらず、現在でも読み継がれる古典的名著の待望の翻訳!
【目次】
第二版への序文
初版への序文
日本語版凡例
略語表
第一章 導入──マルキオンのキリスト教宣教に関する宗教史的な諸前提と、彼が現れた当時のキリスト教世界の内的状況
第一節 知られている神と、知られざる異邦の神─マルキオン
第二節 古代キリスト教における混淆主義と明確性との緊張─「使徒的」宣教、パウロ、異端者たち、マルキオン
第三節 救済宗教─マルキオン
第二章 マルキオンの生涯と影響
第三章 マルキオンの出発点─律法と福音、そして世界、律法、創造者からの救済
第四章 批評者にして修復者──マルキオン聖書
第五章 マルキオンの『対立命題』
第六章 マルキオンのキリスト教信仰と彼の宣教
第一節 議論の根拠
第二節 世界創造者、世界、人間
第三節 ユダヤ人の神としての世界創造者、道徳的なものとしての義──律法、預言者、メシア、そしてユダヤ人の神の聖なる書物
第四節 異邦の神、そして上位の神としての救済神
第五節 善の神としての救済神、この神がイエス・キリストにおいて顕れたこと、救済の業、使徒パウロの召命
第七章 救済される者たちの聖なる教会と生活の規範(典礼、組織、倫理)
第八章 マルキオン派教会の歴史──中心的な神学学派とアペレスの分派
第一節 マルキオン派教会の外的歴史
第二節 マルキオン派教会の内的歴史
第三節 アペレスとその分派
第九章 カトリック教会成立に対するマルキオンの歴史的位置づけとその意義
第十章 教会史的および宗教哲学的考察によるマルキオンのキリスト教信仰
第一節 反律法主義と旧約聖書の拒絶
第二節 異邦の神の福音と汎キリスト主義
訳者あとがき