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内容詳細
元朝以前に遡るモンゴルのキリスト教史の中で、
シャマニズムや仏教の影響下にあって、
聖書はどのように翻訳され、改訂されてきたのか。
現代の翻訳理論を踏まえつつ、仏典翻訳との比較やモンゴルと日本の聖書翻訳者たちの実践を交え、〈多言語社会における聖書翻訳の営み〉を10名の執筆者が描き出す。モンゴルのキリスト教と、モンゴル語聖書翻訳の世界を多角的に紹介する初めての書!
*目次*
はじめに (滝澤克彦)
第1部 世界のなかのモンゴルと聖書
第1章 モンゴルとキリスト教――近代以前 (芝山豊)
第2章 翻訳文化論とモンゴル語聖書 (滝澤克彦)
第3章 世界文学としての聖書と翻訳 (池澤夏樹)
第2部 モンゴル語聖書翻訳史
第4章 近代におけるモンゴル宣教と聖書翻訳 (滝澤克彦/都馬バイカル)
第5章 ロシア宣教とモンゴル語聖書翻訳 (荒井幸康)
第6章 1952年香港版『新約聖書』とその翻訳に関わったモンゴル人たち (都馬バイカル)
第3部 聖書の比較翻訳実践論
第7章 現代モンゴル語聖書翻訳における諸問題 (G.バヤルジャルガル)
第8章 モンゴル語聖書の翻訳と改訳(1996-2013年) (B.V.ドゥゲルマー)
第9章 モンゴル語仏典における翻訳論について (金岡秀郎)
第10章 フランシスコ会訳聖書ならびに教父文書の翻訳刊行に携わって (小高毅)
第11章 聖書のケセン語訳から見えてきた日本の翻訳文化 (山浦玄嗣)
第4部 モンゴル語聖書の翻訳文化論
第12章 モンゴル語聖書における「神」の翻訳とコンテクスチュアリゼーション (滝澤克彦)
第13章 現代モンゴルカトリック教会における翻訳活動――要理書を手がかりとして (芝山豊)
第14章 聖書翻訳における諸々の選択についての考察――CAT、口語と文語、文字 (荒井幸康)
第15章 接吻と香り――聖書翻訳にみる日本とモンゴルの文化の癖 (芝山豊)
あとがき(芝山豊)
参考文献一覧
聖書とモンゴル年表
モンゴル語聖書一覧
モンゴル語聖書図版
執筆者
荒井幸康(北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター共同研究員)
池澤夏樹(作家・詩人)
小高 毅(カトリック司祭・フランシスコ会士)
金岡秀郎(国際教養大学特任教授)
芝山 豊(清泉女学院大学教授)
滝澤克彦(長崎大学教授)
B.V.ドゥゲルマー(アリオン・ビチェース協会職員・聖書翻訳者)
都馬バイカル(桜美林大学准教授)
G.バヤルジャルガル(アリオン・ビチェース協会「標準モンゴル語訳」プロジェクトリーダー)
山浦玄嗣(医師・『ケセン語訳新約聖書』翻訳者)
書評
<本のひろば2021年8月号>