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内容詳細
暗黒にさし込む一筋の光
「人間は一本の葦でしかない……だが、考える葦である」。数々の名言で知られる『パンセ』は、人間の悲惨さと偉大さについて省察した思索の書であり、魂の世界を反映した瞑想録である。卓抜な人間観察から生まれた人間への深い洞察は、読者をおのれの人生の意味への問いかけに直面させる。パスカル研究に一生涯を捧げた訳者による、邦訳の決定版!
「クレオパトラの鼻、それがもう少し低かったら、地球の全表面は変わっていただろう。」〈414〉
「緯度が三度もずれると、法体系がくつがえる。子午線ひとつが、真理を決定する。」〈60〉
「わたしたちが真理を知るのは、ただ理性によるばかりではなく、また心にもよる。」〈110〉
「心には、理性の知らない独自の道理がある。」〈423〉
「聖書のただひとつの目標は、愛である。」〈270〉
「神を知ることから、神を愛するまでは、なんとまあ遠いのだろう。」〈377〉
「わたしたちは、いまだかつて、現在という時にじっとしていたためしがない。」〈47〉
「自分が悲惨だと知るのは、悲惨なことである。しかし、自分が悲惨だと知ることは偉大である。」〈114〉
「人間とはなんとまあ、キマイラみたいなものではないか。なんという珍奇なもの、なんという怪物、なんという混沌、なんという矛盾の寄せ集め、なんという驚異だろうか。」〈131〉
「人間は生まれながらに、信じ易く、なかなか信じようとせず、臆病であって、大胆である。」〈124〉
「もうきみは舟を乗り出しているのだ。さあ、どちらの側をとるつもりか。」〈418〉
「その危険もないのに、死について考えるよりも、そんなことを考えないで、死を迎える方がずっと易しい。」〈138〉
「果てしないこの空間の広がりがいつのときも沈黙している、恐怖。」〈201〉
〈 〉内は本書(ラフュマ版)の断章番号