絵本の最高峰とうたわれる『ちいさいおうち』。
丘のうえにたたずむ主人公の「ちいさいおうち」は時代の流れの中で開発の波にのまれつつも、やがて再び美しい田舎に運ばれて、また四季の移ろいを感じる喜びに包まれます。読み手の心に深く染み入るストーリーを定点観測の手法で描いた絵本は、ページを行きつ戻りつして細部まで眺める楽しみにあふれており、出版から80年近く経た今でも色あせることがありません。
バートンは優れた絵本作家であると同時に、デザイナーとしても世界にその名をはせていました。「フォーリーコープ・デザイナーズ」と呼ばれた団体は主に近所の主婦たちで構成されており、彼女たちの質の高い作品の数々は多くの人々を魅了しました。
本企画展ではバートンの精巧な絵本づくりはもちろんのこと、知られざるテキスタイルやグラフィックの世界も公開し、バートンのものづくりに臨む姿勢を余すことなく紹介します。ご覧になった後はぜひ絵本を開いてみてください。
生き生きとした主人公たちや物語の奥深さが、いっそう胸に響くことでしょう。
会場:
銀座教文館9F ウェンライトホール
開催期日: 2018年
3月17日(土)~ 5月7日(月)会期中無休
開催時間 午前11時―午後7時30分(最終日は午後5時閉場)
入場料 大人800円、大・専門学校生500円、小・中・高校生100円 未就学児無料
主催 銀座 教文館
特別協力 (公財)ギャラリーエークワッド
協力 アリスティデス・デメトリアス、岩波書店、ケープアン・ミュージアム、小学館、ソーヤー・フリー・ライプラリー、(公財)東京子ども図書館、白泉社、福音館書店、ミネソタ大学図書館カーランコレクション(50音順)
後援 (ー財)出版文化産業振興財団、(ー社)日本国際児童図書評議会、中央区教育委員会
お問い合せ先 銀座教文館 東京都中央区銀座4丁目5-1 電話03-3561-8446
「ばーじにあ・りー・ばーとん」展情報
バージニア・リー・バートン Virginia Lee Burton (1909一1968 )
1909年、アメリカのマサチューセッツ州、ニュートンセンターに生まれる。カリフォルニアの美術学校で学ぶかたわらバレエに親しみ、1931年に結婚。海辺の小さな村フォリーコープに住み、画家、絵本作家、デザイナーとして活躍する。
1937年に『いらずら きかんしゃ ちゅう ちゅう』を発表。39年に「マイク・マリガンとスチーム・ショベル』、41年に『名馬キャリコ』、42年に「ちいさい おうち』と優れた作品を次々と世に送り出す。中でも『ちいさいおうち』は全米絵本の最優秀賞であるコルデコット賞を受賞。そのほか『はたらきもののじょせつしやけいてぃー』『SONG OF ROBIN HOOD』『ちいさいケープルカーのメーベル』『せいめいのれきし』などを手がけるも、68年に肺がんのため59歳で死去。