ベスト👍 ノンフィクション
『学校では教えてくれない生活保護』
雨宮処凛 著
河出書房新社
2023年1月 発行
定価1562円(税込)
227ページ
対象:中学生以上
今知っておきたい「死なないノウハウ」が詰まった入門書
最後のセーフティーネットと言われながらマイナスイメージの強い“生活保護”。病気やケガ、突然の失業などで誰でも生活が成り立たなくなる可能性はあり、頼れる身内がいなくても社会がきちんと支えてくれる仕組みがあれば私たちは安心して暮らしていくことができます。けれど、本来なら正当な権利として利用できるはずの生活保護が、恥の烙印を押されたり、申請窓口で追い返されたりと、必要としている人たちにとって使いづらい制度になってしまっているのはなぜなのでしょうか。
長く貧困問題に関わり発言を続けている雨宮処凛さんが、生活保護受給現場の実態について専門の弁護士や現場で活動する人たちに直接質問をぶつけていくのですが、それにつれて知らなかったこと、誤解していたことが自分の中でも次々に明らかになっていきました。また韓国やドイツの例を知ると、日本の制度に足りないところや改善してほしい部分も見えてきます。私たちは生活保護を自分に関係のないものと思わず、より使いやすい制度にするにはどうしたらいいか、ともに考えていかなければならないのです。
日本国憲法25条に記されているように私たちは「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」があり、「国は、すべての生活部面において、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」義務があることを忘れてはなりません。生活保護に代表される公助の仕組みは、社会の安全と安定にもつながる大切なものだという認識を多くの人が持つことができれば、社会は確実にもっと暮らしやすくなるでしょう。(か)
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