クリーンヒット⚾ ノンフィクション
『100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集』
福井県立図書館
講談社 刊
2021年10月20日 発行
定価1320円(税込)
189ページ
対象:中学生から

「図書館は民主主義の砦」~全ての司書と書店員に捧ぐ本~

図書館司書だけでなく、書店員も毎日がシャーロックホームズかコナン君の日々を送っています。
「昔子どもの頃に読んだコビトが出てくる本探してるんですけど・・・」
そこから「いつぐらいの時にお読みになりましたか?」「絵本でしたか?」「日本の方が書いたものでしたか?」エトセトラエトセトラ”聞き取り”と”捜査”が始まります。冷静を装いながらも、「あれか?」「これか?」脳内フル回転。側にいるスタッフも引きずり込み、大捜査網を広げます・・・。

福井県立図書館の司書の方々が、カウンターに尋ねてくる利用者の方の迷質問を集めたタイトル集です。質問も「秀逸」ながら、よくぞこれでたどり着けましたね!と福井図書館の皆さんには尊敬の念しかない回答例もあります。
タイトルになった『100万回死んだねこ』(もちろん『100万回生きたねこ』です)は、ナルニア国でも月に一度は耳にするお馴染みの御質問。
「からすのどろぼうやさん」は、『からすのパンやさん』なのか『どろぼうがっこう』なのか迷うところですが、まだまだ初級編ですね。
「ハリー・ポッターが書いたうさぎの本」は、何となくお分かりかもしれませんが(ビアトリクス・ポターの『ピーターラビット』!)「ウサギのできそこないが2匹出てくる絵本」に至っては、ナルニアスタッフもその正解にのけぞってしまいました。(答えは読んでくださいね)

爆笑しながら、でも、この本を読んで大いに力をもらいました。

後半に福井図書館の方が「レファレンスと司書の仕事」について書いていますが、本に関わる人間すべてに響く言葉が詰まっています。
「図書館は民主主義の砦である」ー住民はいつでも誰でも無料で情報にアクセスできる。それを保証するのが図書館です。
司書課程の先生のこの言葉に触発されて、司書の仕事に情熱を持って取り組んでいる方々がいることに希望の光を感じました。

本に関わる仕事をしている方だけでなく、図書館を日頃利用している方たちにも読んでもらいたい!と
心から思います。(く)

★お問い合わせはお電話、Fax、メールにて承ります。
売場直通電話 03-3563-0730
Fax 03-3561-7350
メール narnia@kyobunkwan.co.jp