shinkanここ1週間くらいで刊行された本から2点ご紹介します。

ひとつはオランダの作家アニー・M・G・シュミットの短編集『パン屋のこびととハリネズミ』(徳間書店)。先日、ナルニア国で開催された翻訳家・西村由美さんの朗読会で、岩波書店から出ているシュミットの『ペテフレット荘のプルック』を読んでいただいたのですが、その会でこの新刊の案内もありました。どんな作品集なのかしらと楽しみにまっていたのですが、期待に違わぬ素敵な本で、お話は全部で11話、どれもちょっと不思議で楽しいお話です。小学生からシュミット作品のファンの大人まで、たくさんの方におすすめしたい1冊です。

もうひとつはクリスマスの絵本。実はこの絵本、昨年洋書で入ってきたのを見たのですが、あんまりかわいいので「どこかの版元さんが出してくれないかなぁ…」と思っていたところ、今年BL出版からふしみみさをさんの翻訳で出版されたので、とても嬉しくなりました。クリスマスにちなんだおはなしが18話入った、大判の絵本サイズ。読み聞かせには少し大変かもしれませんが、スキャリーの絵もかわいらしくて心躍る1冊です。残念なのは、洋書では表紙にキラキラした金の飾りがついていて、とってもプレゼントらしいのですが(それで2111円!)、日本語版ではこの装飾印刷がなくなっていること。でも値段は2100円なのですよね…。それでも、ちゃんとお話が分かる方が大事。英語の読める方は、どうぞ洋書でご覧ください。