9月に刊行された新刊絵本です。数年前から「原著の出版年は数十年前だが、日本では初めて紹介される本」というのが多くなっていると、新刊担当のスタッフから聞いていましたが、これらの作品もまさしく「古典の再発見」といった様子の絵本たちです。一番古いのは『こわがらなくていいんだよ』(原書出版は1953年)、『ニブルとたいせつなきのみ』と『川のぼうけん』は奇しくも同じ年で1962年、『ドングリをさがして』はドン・フリーマンがスケッチで遺していた未完の作品を息子のロイが完成させたもので、最初のスケッチは1963年に描かれたものだそうです。M.W.ブラウンとL.ワイスガード、ジーン・ジオンとM.B.グレアム、エリザベス&ジェラルド・ローズ、ドン・フリーマン…昔のものがいいというのは感傷に過ぎないと思いますが、彼らの作品は時代もあるのでしょう。どこかのんびりしているというか、ぎすぎすした感じがなく、穏やかな空気が流れているように感じます。