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👍 ノンフィクション
『ダーシェンカ 愛蔵版』
カレル・チャペック 著
伴田良輔 訳
青土社 刊
2020年12月30日 発行
本体1,400円
139ページ
対象:中学生以上

世界一、愛らしい小犬が帰ってきた!

代表作の『長い長いお医者さんの話』(岩波少年文庫)や『園芸家12カ月』(中公文庫)で知られるカレル・チャペックが、自身が飼っていたワイアヘアード・フォックステリアに生まれた小犬をつぶさに観察して書いたのが本書です。

子犬を「ダーシェンカ」と名付けたチャペックは、子犬のあまりのかわいさに、日に日に成長しいたずらになっていく愛犬の姿を写真に収めようとカメラを構え、さらにたくさんのスケッチを残しました。
もちろん本にはそれらの写真から選りすぐりであろうカットが収録されており、いたるところに丸くて小さな子犬の絵が添えられています。
白い体に黒い耳を持ち、フォックステリア特有の毛足のくるりとしたダーシェンカの写真やイラストは、愛犬家にかかわらず動物好きなら誰しも歓声をあげるであろう愛らしさに満ち満ちています。

そしてこの作品のすばらしい点は、チャペックがダーシェンカに物語を語り聞かせるような口調で文章を書いているところ。そのユーモラスな発想力はチャペックのほかの作品にも通じていると言えるでしょう。

かつてはいくつかの出版社から出されていましたが、残念ながら現在は品切れ・絶版となって久しく、この機に愛蔵本をお手元に置くことを大いにおすすめします。
「ああ、こんなにかわいい犬がわたしのそばにいたら!」。私は今日も妄想しながら、書棚からこちらを見つめるつぶらな瞳に心を奪われています。 (い)

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