ベスト👍 フィクション
『わたしの全てのわたしたち』
サラ・クロッサン 著
最果タヒ、金原瑞人 訳
ハーパーコリンズ・ジャパン 刊
2020年６月 発行
本体1,700円＋税
408ページ
対象：中学生以上
これ以外の体を、これ以外の人生を知らない――
16歳のグレースとティッピは腰から下がつながった結合双生児でした。生まれた時からいつも一緒にいる、自分ではない他人。ふたりでひとりで、ひとりがふたり……。
そんなグレースが語る、自分とティッピの物語です。
「たった一人で生まれて、たった一人で生きるなんて、リアリティがなさすぎる」と思っているグレース。この感覚が読んでいてなんだか胸が痛くなるほど迫ってきました。
初めて高校に通うようになり、新しい生活のなかで友情、恋を経験していきます。
その時々のグレースの気持ちが詩のかたちで綴られていて、瑞々しさがあふれます。そして瑞々しいだけに切なさが倍増。
しっかりと自分を見つめるグレースの強さも感じました。
詩は苦手、という人もぜひ読んでみてほしい。詩のことばの力を感じてください。
本作は2015年、カーネギー賞受賞しています。 （す）
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