クリーンヒット ノンフィクション
『珪藻美術館 ちいさな・ちいさな・ガラスの世界』
奥修 文・写真
福音館書店 刊
2020年9月 発行
本体1300円+税
47ページ
対象:小学校中学年以上
顕微鏡の奥にひろがる満天の星空~極小の微生物による、世界一ちいさい“ガラスアート”
2019年6月発行された福音館書店の月刊誌「たくさんのふしぎ」が早くも単行本になりました!
月刊誌でもとても人気で、当店でもよく売れた1冊です。
身近でありながら、顕微鏡でのぞかないと見えない小さな小さな世界。
珪藻とは、ワカメやコンブなどと同じ「藻」の仲間です。そのうちの珪酸質(ガラス質)の殻をもつものを「珪藻」と呼ぶのだそうです。
この小さな「藻」の魅力を存分に伝えてくれる写真絵本。
理科の実験くらいでしか顕微鏡をのぞいた経験はありませんが、ページをめくるたびにあの小さな感動がよみがえってきました。
ミジンコとか、ミカヅキモとか顕微鏡をのぞきつつ、スケッチしたものです。結構、この授業は好きでした。
作者の労力の賜と思える数々の珪藻たちの写真は圧巻です。
写真の魅力がたっぷりですが、19ページに掲載されている「ドイツのエーレンベルクという生物学者が、1854年に出版した本のなかにおさめられた図版です。」とあるスケッチがとても素敵で個人的に好きです。
気が遠くなるような細かい作業の末に、見えてくるこの小さな世界。なかなか普段感じることはできないけれど、確かに存在する世界を見せてくれる心地よい読後感を得られる1冊です。(す)
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