8月は6日・広島原爆の日、9日・長崎原爆の日、15日・終戦の日と、戦争について考えるきっかけとなる日が多くあります。実際に体験した人が少なくなり戦争が記憶から遠のいていく中で、私たち自身が戦争を起こさない、巻き込まれないためにどうすればいいのでしょうか。そんなことを思う中で、ぜひ皆さんにご紹介したいフェアがあります。
教文館3階キリスト教書部の入り口近くで、現在パネルと一緒に紹介されている小さな冊子があります。『川田文子さんのこと』と題されたこの本は、自由学園女子部高等科の3年生(2022年当時)だった山澤遥乃さん・綾乃さん姉妹が作られた本です。彼女たちの遠い先輩であった川田文子さんは1944年12月に、わずか19歳で亡くなりました。学生としての勤労動員中に中島飛行機武蔵製作所で空襲にあい、防空壕で直撃弾を受けての死でした。自分たちと変わらない年の若者がなぜこのように命を落とさなければならなかったのか、その問いに真剣に向き合った山澤さん姉妹の濃密な時間がこの小さな冊子に満ちています。キリスト教書部の店長Yが、その思いにこたえるためにこうしてコーナーを作っているのです。
→店内奥にもう1か所コーナーがあります。
「もうすぐ8月。記憶の夏が来ます。戦争の記憶、川田さんの「声」を、当時を知らない世代が等身大の表現で伝えていく。川田さんへの慰霊としてこれ以上のことはないと思います。ぜひ、お手にとっていただきたい1冊です。」と、キリスト新聞(kirishin)縦断列島書店員日記にYが紹介した『川田文子さんのこと』(自由学園出版局)は、現在教文館のキリスト教書部店頭およびネット通販でも販売しています。これからの社会を担う若い人の真摯な思いを受け止めること、そして自分には何ができるか考えて行動することが、今私たち一人一人に求められているように思います。
『川田文子さんのこと』山澤遥乃・山澤綾乃 著/自由学園出版局 1100円(税込)
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