というのが、正直な感想。とはいえ、嬉しい驚きであるの間違いありません。10月になって出版された上記写真の2作品は、左が動物画家の薮内正幸さんの新刊『だじゃれ動物図鑑』(偕成社/1365円)、右が『ちいさいおうち』のバージニア・リー・バートンの『コヨーテのおはなし』(長崎出版/1575円)です。お二人とも亡くなってからかなりの年月が経っているので、もう新刊が出ることはないだろうと勝手に思っていたので、「こんな埋もれた作品があったのか!」とびっくりしました。
薮内さんの本は、動物のことを知り尽くし、動物を愛する薮内さんだからこそ描くことのできた作品です。もともと「だじゃれ」の絵の部分は、雑誌に載せる絵を担当編集者さんへ送るための封筒(のウラ)に描いたものだったとのこと。人を笑わせるのが大好きだった薮内さんらしい、ユーモアいっぱいの絵です。薮内さんの作品を見ていると、その生き生きとした絵が素晴らしいのですが、このだじゃれ満載の本には思いがけない薮内さんの魅力がつまっていてとにかく笑いが止まりません。ぜひご一読ください!そして、バートンの作品は、ネイティブ・アメリカンの人々に伝えられてきたコヨーテのお話に挿絵をつけたもの。躍動感溢れるバートンの絵は、物語と一体になって「作品全体に活力をあたえている」と解説されています。