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『零から0(ゼロ)へ』
まはら三桃 文
ポプラ社 刊
2021年1月発行
定価1760円(税込)
306ページ
対象:中学生以上(読める子どもなら小学校高学年から)

誰もが、その計画を「不可能」と嘲笑った……。

1945年初冬、19歳の松岡聡一は一家を養うため入学したばかりの大学を中退し、運輸省鉄道局に入った。そこで聡一が出会ったのは、新しい高速鉄道の開発に関わる人々だった。
東京―大阪が8時間かかっていた時代、最高速度200キロ、4時間半で結ぶという荒唐無稽とも思われる計画。それに携わっていた人々は、かつて零戦など軍の戦闘機を開発していた技術者・木崎たちだった。
自分たちの技術を二度と戦争のために使ってはならない、平和のためにと、不可能とも思える開発計画を進める木崎たちを手伝ううちに、聡一もいつしか「不可能の夢」に没頭していく。

のちに0(ゼロ)系と呼ばれる新幹線誕生の物語です。

この物語を読むまで、私も「新幹線をつくったのは、かつて零戦をつくっていた技術者だった」ことを知りませんでした。作者のまはらさんも、初めてこの事実を知った時に、衝撃を受けたそうです。

「人の能力が正しい場所で正しく発揮できたことに対する安心と喜びを物語で表したい」

まはらさんの渾身の想いが込められた書き下ろし作品です。

晴れない日々の中で暮らしている中、読み終えた時に、とても明るい気持ちになりました。
(蛇足! ビュワーンビュワーン走る 青い光の超特急 時速250キロ~♪を口ずさんだ方! 私と同世代です!!)       (く)

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