岩波書店からジョージ・マクドナルドの『黄金の鍵』と『かるいお姫さま』の2点がセンダックの挿絵で出版されました。洋書のペーパーバックでは見たことがあったのですが、この翻訳書の方がずっと素敵です。小ぶりなところも作品の雰囲気にピッタリ。見るだけでうっとりとしてしまう本です。

ステキなのはカバーのかかった表紙だけではありません。カバーをはずすとびっくり!

金の箔押しをした本体の表紙が現れました! この装丁は原書のものなのでしょうか。出版社に確認したかったのですが今のところ不明です。でも図書館に入るときにはブッカーがかかってしまいますから、この美しい本体を見られるのは買った方だけです!

また、翻訳者・脇明子さんのあとがきは今回「訳者のことば」としてそれぞれ別刷りでお読みいただけます。わざわざこれを挟み込みにしたのは、きっと物語の世界を余韻までじっくり味わってほしいという思いだったのではないかと想像しました。それにしても、マクドナルドやセンダックについて書かれた脇さんの言葉がまた素晴らしく、皆さんきっとここにも深く感じるところがあると思います。

マクドナルドは今、少年文庫もすべて品切れで読むことができません。けれどこんなに素晴らしい本として新たに出版されたことは、もうすぐ終わる2020年の出版ニュースの中でも、特に嬉しいことだと思います! マクドナルドとセンダック、19世紀イギリスと20世紀アメリカという異なる生きた時代の2人の天才が子どものために残した美しい作品を、ぜひご堪能ください。

『金の鍵』『かるいお姫さま』ジョージ・マクドナルド作/モーリス・センダック絵/脇明子訳/岩波書店 各1500円+税

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