クリーンヒット⚾ ノンフィクション
『支える、支えられる、支え合う』
サヘル・ローズ 編・著
岩波書店 刊
2021年11月 発行
定価1,595円（税込）
118ページ
対象：中学生から
支え合うことの大切さについて、一緒に考えてみませんか？
岩波書店ジュニアスタートブックスシリーズは、岩波ジュニア新書の前段階といった内容と体裁で、中学生を読者対象に社会の様々な問題を取り扱い、子どもたちの興味関心を広げることを応援する叢書です。
本書の編著者サヘル・ローズさんはテレビや映画などでも活躍する俳優で、ご存知の方も多いと思います。彼女は7歳までをイランの孤児院で過ごし、8歳のとき養母とともに来日しましたが、言葉も生活習慣も何もかも違う国で生きていくことは本当につらく、違いを理由に受けたいじめは彼女を大変傷つけました。それでもつらくても誰にも言えず一人で苦しんでいた経験は、彼女を強く優しい人にしました。今は俳優業の傍ら世界の国々に赴き、難民キャンプで子どもたちへの支援を行っています。
この本に登場し、自らの活動を紹介してくれる人たちは自分自身がその問題の当事者だった人たちです。苦しんだ経験やその中で感じた社会の矛盾－―「何かおかしい」「本当にこれでいいのか？」――に対する疑問をそのままにせず、人々の生きる場を少しでもよくしていこうと闘っています（といっても明るく、力強く！）。一人のできることは小さくても、彼らの活動のおかげで救われる子どもたちがいる――そのことが未来への希望につながるような気がします。見て見ぬふりをしないために、まずは当事者の声を聞いて知ることから始めませんか。 （か）
～こんな方たちの活動が紹介されています～
森山誉恵（もりやま・たかえ）：子どもが安心して過ごせる場の提供、教育の支援を行う
慎泰俊（しん・てじゅん）：途上国の低所得者層に金融サービスを支援
三好祐也（みよし・ゆうや）：病気を抱える子どもたちを学習や自立を支援
ブローハン聡（ぶろーはん・さとし）：児童養護施設退所者のアフターケア事業や、社会的養護の啓発活動を行う
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