ベスト👍 フィクション
『博物館の少女 怪異研究所事始め』
富安陽子 著
偕成社
2021年12月 発行
定価1540円(税込)
341ページ
対象:中学生から
ゆれ動く時代の中で凛と生きる一本気な少女の成長譚
「シノダ!」シリーズや「妖怪一家九十九さん」シリーズなどの物語や、「まゆ」シリーズなどの絵本のテキストも多数手掛け、さまざまな物語を生みだし続ける作家、富安陽子氏。このたび、また新しい世界を生みだしました!
文明開化まもない明治前期が舞台。主人公は両親を亡くした大阪の古物商の娘、花岡イカル。彼女は親戚を頼って東京へやってきます。そして上野の博物館を訪れた際、館長に目利きの才を認められました。そして古蔵で怪異の研究をしている織田賢司、通称トノサマ(織田信長直系の子孫)の手伝いをすることになります。トノサマの指示で古蔵の整理を始めたイカルでしたが、台帳と合わず盗まれたものがあることが発覚します。
イカルとトノサマ、そして奉公人のアキラはこの謎に迫っていくことになりました。
歴史を踏まえつつ、繰り広げられる少女の冒険。作家・富安陽子氏の新たな世界と言えそうです。読者対象を中学生から、としていますが、よく読む子なら小学校6年生くらいでも読めちゃいそうです。ミステリの要素もあり、ページをめくる手が止まらなかったです。勢いで読んでしまいましたが、じっくり歴史背景とか考えながら、情景描写も楽しんで再読したいです。
たぶん続きがあるよね、と思っています(笑)。少女イカルの目を通した時代感も味わいたい。
偕成社のホームページには富安さんと担当編集者のことばもあります。これも読むとこの作品の世界をさらに味わえることでしょう。ぜひ、あわせてチェックしてみてください。 (す)
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