ベスト👍 フィクション
『さいごのゆうれい』
斉藤倫 作
西村ツチカ 画
福音館書店 刊
2021年4月10日 発行
定価1870円(税込)
302ページ
対象:小学校高学年から
その夏、せかいをとりもどすため、ちいさなゆうれいと過ごした四日間
〈大幸福じだい〉とよばれた「かなしみ」や「こうかい」のない、できたてのパンみたいに、ふわふわして幸せだったときがありました。そんな時代の夏休み、小学5年生だったぼくは田舎のおばあちゃんの家に預けられます。空港のあるその町で、最初の日にぼくは、ひとりのちいさなゆうれいに出会います。その子は自分のことを「ゆうれいだけど!」と言いました。驚くぼくに、たたみかけるように「もしかしたら、さいごの、ひとりかもしれない」と告げます。
ぼくがゆうれいを救うため、世界を取り戻すために、ゆうれいと過ごした4日間の冒険です…。
なんとも不思議な世界観の物語。作者の斉藤倫さんは、そもそも詩人として活躍されている方です。読んでいて、その片鱗を感じる文章にゾクッとしました。
そして物語に寄り添った西村ツチカさんの挿絵がとても良いです。物語の世界観をうんと広げてくれていると感じました。なかでも143ページの絵が個人的に大好きです。皆さんにも見ていただきたいな~と思います。
300ページほどの長編ですが、読みだすと「イッキ読み」必至の1冊です。(す)
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