クリーンヒット⚾️ 絵本
『ぼくらのサブウェイ・ベイビー』
ピーター・マキューリオ 作
レオ・エスピノーサ 絵
北丸雄二 訳
サウザンブックス社
定価1,980円(税込)
32ページ
対象:幼児から
ニューヨークの地下鉄駅から始まった、ある家族の物語
8月のある夜、ニューヨークの地下鉄の駅でダニーは生まれたばかりのあかちゃんを見つけます。男性同士のカップルであるダニーとパートナーのピートにとって、このあかちゃんとの出会いはまさしく運命的でした。
二人はあかちゃんを迎え入れて新しい家族をつくることを決意しますーー。
男性同士のカップルが子どもを持ったという物語に光を感じますが、この絵本のすばらしいところはこれが実話だということ。「訳者のあとがき」とカバーのそでにある「作者からの手紙」を読むと、彼らの性別や血を超えた絆の強さに胸が熱くなります。
現代において家族のかたちは多様性を極めています。両親がそろっていなかったり親や兄弟と血のつながりがなかったり、彼らのように父親がふたり(あるいは母親がふたり)であったり。たとえどんな家族構成であったとしても、大切なのは家族となる人々が互いに信頼関係で結ばれていること、そして愛情を抱いていること。それらを満たせば、国籍や血や性別などはさしたる問題ではありません。
日本では法律上、性別が同じである人同士の結婚は認められていませんが、東京では同性パートナーシップ制度を設けている自治体もあります。誰しもの人権を平等に尊重し差別や偏見のない社会の拡張を目指すために、この絵本は自分自身の思い込みに揺さぶりをかける手がかりになるでしょう。 (い)
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