ベスト👍 ノンフィクション
『女の子はどう生きるか 教えて、上野先生!』
上野千鶴子 著
岩波書店 刊
2021年1月20日 発行
本体880円+税
224ページ
対象:中学生から

女の子が自分らしく生きていくためのアドバイスが満載!

本書は社会学者で、日本のフェミニストのパイオニアである著者が女の子なら一度は抱くモヤモヤや疑問に真直ぐに答えた本です。たとえば「生徒会長はなぜ男子だけ?」「色にも女の子色、男の子色ってあるの?」「男女で進路がわけられるのはなぜ?」など中高生にもごく身近な話題から「別姓で生きるということ」「総合職か、一般職か?」「私が投票したい候補がいない」といった社会問題に踏み込んだものまでさまざま、44の問いがあります。
どの「?」にもスパッと気持ちのよい回答をしてくれていて、読んでいて実に爽快! でも反面、こんなにもモヤモヤを抱えていたのかとも思ったり…。

現代の日本の社会は変わりつつあるとはいえ(モーレツ社員とかないものね)、それでも男性優勢に成り立っているのだとつくづく感じます。また力のある人のみが恩恵を受けられるとか、女性も含め弱者の視点は忘れられがち。

上野千鶴子さんが言っていることは決して難しいことではないと思います。男のヘンなプライドとかが邪魔をしているだけで、結構シンプルなことなのではないでしょうか。

書名にあるように当然「女の子」に読んで知恵と勇気をもってほしい、と思いますが、頭の固い男性たち(著者のいうところの“オッサン”)にこそ読んで変わってほしいと強く思いました。

それとニュースやネットで話題になった2019年度東京大学学部入学式祝辞の全文が掲載されています! 改めて努力がそのまま努力として認められることって案外、当たり前ではないのかもとの思いました。皆が皆、そうなる社会にいつかなるといいな。
さらに! 上野千鶴子さん推薦の「お役立ちBOOKS & MOVIES & UENO’S図書館」もぜひ参照ください。おもしろそうな本や映画がてんこもりです。この本に書かれていることを理解する一助になると思います。 (す)

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