クリーンヒット⚾ 絵本
『ゾウとともだちになったきっちゃん』
入江尚子 文
あべ弘士 絵
福音館書店 刊
2020年9月 発行
本体1300円＋税
44ページ
対象：小学校低学年以上
動物園に友だちがいるだなんて、とっても素敵だと思いませんか？
おとうさんと一緒に動物園に来たきっちゃんは、はじめてゾウを見ました。あまりの大きさにきっちゃんは、とても驚きました。そしてすっかり魅了されます。次の日曜日、また動物園に来たきっちゃんは真っ先にゾウのところへ行きました。じっくり見入り、2頭いるゾウの顔が違うことにも気がつきます。じっくりゾウのことを見ていたきっちゃんは、ゾウが飼育係のお兄さんの声に反応しているのを羨ましく思いました。すっかりゾウの虜になったきっちゃん。飼育係のお兄さんとも仲良くなって、ゾウに詳しくなっていきます。
文章を書いたのは10年にわたり、ゾウの知能の研究をしてきた人。ゾウにも感情があり、個性があることが伝わってくる1冊です。動物園の動物とも気持ちをかよわせることができるなんて、素晴らしい！ 小学生のうちは月に何度も動物園に通った私ですが、このきっちゃんのようにはなりませんでした。動物が自分のことを認識してくれるかも、って知っていたら、動物園での動物の見方も変わったことでしょう。…とはいえ、じっくりと柵の前で動物たちを見ているのは大好きです。サッと通り過ぎるだけでは、見たうちに入らないと思います。どの動物も眺めているとおもしろい！ 柵の前から離れがたくなります。
また、あべさんの絵がとてもいいです！ さすが飼育員として動物を長年見てこられた方です。ゾウの表情に惚れ惚れしました。
図鑑では描けない、ゾウの魅力を教えてくれます。 （す）
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