ベスト👍『フクシマ 2011年3月11日から変わったくらし』 写真絵本
内堀タケシ 写真・文
国土社 刊
2021年2月 発行
本体1800円+税
対象:小学校高学年以上
38ページ

震災から10年経った福島の「いま」を伝える写真絵本

10年一区切りと言われますが、「区切り」のつかない所もあります。
福島から「フクシマ」に変わってしまった場所。

平常値ではない値の放射線モニタリングポストの脇を駆け抜ける自転車の子ども、
大きな目を見開き甲状腺検査を受ける小さな女の子、
天気予報の後に「その日の放射線量」を映し出す毎日のテレビ画面……。

平穏に見える風景の中で、福島以外では決して見ることのない「非日常」を生きるフクシマの人々の「日常」を、写真と文章で伝えます。

(行われるかどうか分かりませんが!)福島から始まるオリンピックの聖火リレー。
恐らく、鳴り物入りで映し出されるであろう、”復興された街”を走る聖火、その「裏通り」には10年来の手つかずの「見えない瓦礫」があることを、この写真絵本を通して知ってほしいと思います。

福島県人は、人情厚く耐え忍ぶ方が多いのです。様々な本を通して語られる福島の人々の声に、耳を澄ませていただければと、故郷福島を代表して心からお願いいたします。 (く)

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