ベスト👍 ノンフィクション
『僕らが学校に行く理由』
渋谷敦志 写真・文
ポプラ社 刊
2022年８月 発行
定価2420円（税込）
１９２ページ
対象：小学校高学年以上
「心の境界線」を取り払うということ
1975年生まれの写真家渋谷敦志さん。彼がカメラを向けるのは
紛争、貧困、災害の中で生きる子どもたち。
南スーダン、バングラデシュ、カンボジア、タイ、ミャンマー、ウガンダ
それぞれの国で、生と死の狭間で懸命に生きる子どもたちの姿を撮りながら
渋谷さんは「僕たちはなぜ学校に行くのか？」「なぜ学ぶのか？」を考えます。
夏休みも終わりになると、日本では「学校に行けない」子どもたち向けの
様々なメッセージが出されます。（もちろんほとんどは真摯なメッセージです）
渋谷さんが写真で伝えるメッセージには「学校に行きたくても行けない子どもたちが
いるのだから、おまえらもガンバレ」という薄っぺらい”お説教”はカケラもありません。
―「心の国境線」を引かず生きる―
渋谷さんの写真展を部活帰りに見て、それを新聞に投稿した中学2年生の
巻末の記事に、希望を感じました。
2学期が始まる今の時期、子どもはもちろん大人にも
渋谷さんが撮った子どもたちの眼差しに出会って欲しいと
心から思います。 （く）
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