ベスト👍 ノンフィクション
『ムクウェゲ医師、平和への闘い』
~「女性にとって世界最悪の場所」と私たち~
太刀山芽衣子・華井和代・八木亜希子 著
岩波書店 刊
2024年6月20日 発行
定価968円(税込)
156ページ
対象:中学生から

スマホがアフリカの悲惨に繋がっている

サブタイトルにある言葉—「女性にとって世界最悪の場所」
衝撃的なこの言葉が意味するのは
アフリカのコンゴ民主共和国で起きている
熾烈な性暴力のことです。
パソコンやスマートフォンをはじめ様々な電子機器の
部品に使われている鉱物が豊富にあるコンゴは
その「豊かさ」故、「世界最悪の場所」になっています。
なぜなら、その豊かな鉱物が紛争の資金源として利用され
鉱山の周辺に暮らす人々は政府軍や武装勢力に暴力を
強いられているからです。
そしてその暴力のひとつがレイプなのです。
心も体もズタズタに傷つけられた女性たちを救い続けてきた
ムクウェゲ医師の活動の記録が詳細に綴られています。

時に読む手が止まるほどの描写もありますが
ムクゥゲ医師は、そうした女性たちを文字通り抱きしめながら
再生への道を共に歩みます。

2019年に『すべては救済のために』を読んだ時も、コンゴの現実と
ムクゥゲ氏の無私の活動に震えるような思いを持ったはずなのに
人間はどうしてこうも忘れ去る生きものか?と改めて思いました。

自戒を込めて何度も肝に銘じます。まずは「関心を持ち続けること」
私たちが暮らしている「便利さ」がコンゴの悲惨と繋がっていることを
この本を通して若い世代にも知ってもらいたいと思います。
(く)

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